血まみれの紫-教会ー教会が敷地内にあんだけどサ。そこに、懺悔やらああ、そう日曜にはミサもやる、なんやら、で軍人どもがいくわけよ。 オレはさぁ、そんなんいっても無駄だと思うんだよね。 弱いやつは鍛錬しなきゃ死ぬわけで、懺悔してる時間を鍛錬に充てた方がよっぽどいいんじゃねーの、とか思う。 オレたち、軍人さんだしね。 人殺してナンボ、じゃんか。 殺したっつーことは、次も自分は殺して、生きていくわけっしょ?ならさ、殺したやつのことを悔いるのは、時間の無駄、人生の無駄無駄! だからオレは十字架というシンボルは好きだけども、教会に足を運ぼうなんて気はさっらさら無かった。 「アンタさー、変態でしょ」 がらんとした聖堂。今日は平日であるからして、しかも昼下がりの訓練時間とあって誰もいない。オレと、その神父以外は。 オレは軍服のまま、長椅子に不遜に腰をおろして、足を組んでいた。これはオレのお決まりのスタイル。ひとはこの格好をゴーガンフソンだとゆーが。 カルアなんかが見たらきっと 、 「神様に失礼っっ!!!」とかゆって、聖書のカドでオレの頭をぶったたくんだろぉ。 栗色の髪は襟口くらいまで。切りそろえたものが伸びたんだろう。こちらを見る双眸は、薄いグリーンだった。 「オレのこと、抱きたい…うんにゃ、犯したいと思ってるだろ」 常人であれば、何を云うのかと怒り出すだろう。しかし、この神父は違った。先刻まで浮かべていた穏やかな笑みが、はっきりと異常な笑みへ変わる。 「…ファイネル中佐、あなたのことは見る度思ってましたよ。」 オレは座ったまま動かない。神父はゆっくりとこちらへ歩んできて、聖書をオレの右側に置き、オレの顎を上向かせて唇を指でなぞった。 「この国の一番高いひとの愛するもの。類稀なき剣技に、銀色の髪、紫の瞳…こんな風に他人を見下ろしているあなたが、アレを突っ込まれて、どんな声で泣き叫ぶのか。キスをすると、どんな風に瞳がぬれるのか…」 神父は唇を親指でこじ開け、人指し指を口内へ入れてきた。舌の表面を撫で、唾液に絡ませるように。 「アレをしゃぶるあなたの舌、こんな風なんですね、ああ、暖かい。柔らかくて、今にもこの口の中に無理やり突っ込みたい」 うっとりと語る神父の胸を、前触れもなく蹴飛ばした。ゼロ距離からの蹴りは、加減したとは云え一般人の神父を二メートルほど軽くふっ飛ばした。 右手の甲で口元を拭うと、オレは立ち上がって、祭壇に背中からあたってむせている神父に歩み寄った。 「馬ぁ鹿。オマエはオレを犯したいと思ってるが、嬲られたいともおもってんだろ?」 オレは神父の股間を足で踏みつけた。 「こんな風に…、痛めつけられたいと思ってんだろ。だから変態と云ったんだ」 神父は狂喜の涙を浮かべて、オレの右足にほお擦りした。「ああ、ああ!ファイネルさま、ファイネルさま、そうです、もっともっと私に命令してください!」 聖堂にぴちゃぴちゃといやらしく、卑猥な音と、あえぐような声が響く。 「…っ、そうだ。うまいじゃねーか。もっと、よく舐めろよ。」 神父はオレの足を舐めたいと云った。ので、軍靴を脱いでこうしてやっている。 オレは椅子に座って、足を投げ出すようにしていた。神父はオレの足元に蹲って、必死に足を舐めまわす。舌の先を尖らせて、肌を刺激するように。 「はぁ、はぁ、ひ、左足…左の足も…」 「馬ぁ鹿!」 オレは容赦なく神父の顎に蹴りをいれた。う、とうめいて神父はよろけた。 「まだ全部なめてねぇだろ。指の間までキチント綺麗にすんだよ。ほら!」 神父は泣き笑いの顔で、涙をぼたぼたと垂らしながら、オレの顔を見上げる。 「はい、はい、はい、ああ、ファイネルさまのおあし…おいしい、おいしい、やわらかい…はぁ、はぁ、はぁ…」 指の間をやわらかな、暖かい濡れたものが這いずり回る。 「ん…、んん」 仕方なくもそんなところでカンジたりして、オレも十分変態かも知れない。 「…いいよ。うまい。…なめて、いいよ」 それが「どこ」を意味するのか、神父はわかったらしい。足から舌を幾分名残惜しげに放すと、オレの軍服の前をゆっくりあける。肩くらいまではだけると、鎖骨に舌を這わせた。神父の舐め方は、蛇みたいだ。ねちっこく、獲物を追い詰める、いたぶる。 「は…あぁあ、うん…」 「かんじてるんですね、ああ、ファイネルさまがあえいでいる、私の舌で感じてらっしゃる!なんて素敵!なんて素敵!ねえ、ファイネルさま、今度はいいでしょう?いいでしょう?私の○○○をなめてくださいよ、その舌で、お願いします、お願いします」 神父は云いながら、自分のものを引きずり出した。既に半分以上立ち上がっている。 ぐい!と髪をひきよせ、頭を自分のものへと。そして、オレの口をこじあけて、乱暴に突っ込んだ。 「んむぅっ、…ん」 先走りの液がしょっぱい。「気持ちいいっ!やっぱりそうだ、こんな舐め方、すごい…!気持ちよくって、絞め殺したい!」 頭を固定され、喉の奥まで入れられて、えづいた。自然に涙が出ると、神父は狂喜する。 「ああっ、イく、イク、はああっ」 「う”、んんんっっ!」 苦い液体が口いっぱいに広がって、息ができなくなる、吸おうとすると変なところに入ったのか、むせた。 「ほら、ファイネルさま、全部のんでくれましたか?だめですよ、吐いたりちゃあ…!全部、飲んで!なめて綺麗にして!」 「あ…う」 苦い液体を飲み下す。そのオレの喉を神父は凝視し、生唾を飲み込んだようだった。またモノが勃ってきた。 立っている神父の腰に手を添えて、オレはモノを舐め始めた。くちゅくちゅと音がする度に神父の手がオレの髪を触る。 「まるでねこみたいだ、どうしてそんなに可愛いんですか、ああ、もうだめだ、なかせたい、あなたの中に突っ込んで、かき回して、乱れさせたい!」 正直云うと、オレももう結構辛い。だからおとなしく床に引き倒された。神父は荒荒しくズボンを剥ぎ取ると、軍服の袖を絡めてオレの動きを封じた。 「…手馴れてんな」 「勃ってる!あははっ、私がなめて、かんじたんだ、あははは!ほら、足ひらいて、見せて!あなたのアソコ!」 ぐい、と足を開かされて、――突っ込まれる。そんな表現が正しい。挿入れる、とかそういう、可愛いものではない。神父はオレに欲情して、ただオレを犯したいんだから。 「う・あああっ!いたあっ」 「あははっ、ないて、もっとなけ!ほら、奥まで突っ込んでやる!」 腰を抱きかかえられて、ずりゅ、と音がするほど奥へ 「あああ――ッ!っふ、あああっ、あーっ!」 神父はオレの奥に放った後、オレを後ろ向きにさせて、四つんばいの格好でまたモノをなめさせた。その間、逆流してくる自分の精液が、オレの足を汚すのを見て、またいれた。 教会とゆーのは、いったいどんな所だったろーか。 と、オレは自室でシャワーを浴びて身体を洗いながら考えた。 懺悔とか…ミサとか…? 「……とりあえずあの神父は変態だからなぁ」 シャワー室の外でばたばたと音が聞こえた。ルームメイトであるカルアが帰ってきたらしい。 「リンちゃん!教会いったってホント?!」 「おいこら。頼むからいきなりあけるな。幾らなんだって恥ずかしいぞ」 「神父さんに何かしたのっ?!まさかまさか…こ、殺してないよね?!こんな説教気に入らねぇ、てめぇなんぞ死んじまえとか云って殺してないよね?!」 「だから、閉めてから云えよ!!っていうか、お前はオレのことを何だと思ってんだ!」 シャワールームのドアを開けっ放し…でまくし立てるカルア。オレは髪で自分を隠し(女じゃあるまいし…)、とにかく 「何もしてねーよ、ただ暇つぶしに行っただけだって」 そう、暇つぶし。 ああ、教会とは暇つぶしの場所であったか。 そーだそーだ。懺悔もミサも説教も全部暇つぶしだ。つまりは現実逃避。 「…いや、後で確かめないと…!!殺されてたら埋葬してあげないと!!」 「殺してること前提かよ!!」 段段カルアの性格が悪く(?)なってる気がする。 いや、とにかくだ、 「ドアを閉めろーっ!」 それから真昼間、時々教会に行くようになった。 カルアにはどんな風の吹き回しかとよく問われたが、答えることはいつもおんなし。暇つぶしにいくんだよ。 「ああ、なんておいしい。柔らかいのど…唇。」 オレは精液が逆流してくる足の間に顔をうずめる神父を無感動に見つめる。「ちゃんとなめろよ。じゃないとやらせてやんねぇからな」 すると神父はばっと顔をあげて、涙を流しながら懇願する。 「ごめんなさいごめんなさい!ちゃんとおなめします!きれいにきれいにします!だから…またいれさせてください…あなたを犯させてください」 確かに暇つぶしだ。こんな楽しい戯びはない。オレにも嗜虐心とゆーものがあったのか、と我ながら思う。変態神父を虐めるのは楽しい。オレの言葉に一喜一憂する。懇願する、しかし涙というものはこうも簡単に流せるものなのか。人間とはなんて強欲で、あさましい生き物だろう。 「もう、いいですか、いいですか。犯させて…犯させて!!」 引き寄せられ、腰を持ち上げられる。椅子の背に、背を預けられ、突っ込まれるのもなんだか今日は気持ちいい。 「あーっ!うあああっ、あっ…い、いいっ」 「だめ…だめ。そんな声だして…、イかせてやらないよ」 今度は立場が逆になる。 上下に揺すぶられて、オレは悲鳴のように喘ぐ。「っうん、はあっ!ああっ、」 神父が唇に指を突っ込んできた。「舐めて。しゃぶって」 「んん…う」 音を立てて舐めると、中で神父のモノがさらに大きくなった気がした。「ひっぅ」 その時、喉に歯をたてられて不覚にも、達してしまった。 セックスをしてるときって、ひとを殺すときによく似てるんじゃねーかな。あの緊張感。んで、標的を無事ぶっ殺した時の快感。あと――逃げられない捕虜を拷問するときも似てる。一枚ずつ、爪を剥いでるときなんかドキドキしねぇか?こいついつ白状すんのかな、ってのはいつイクかな、に似てるし。こんなこと考えてんのはきっとオレくらいなもんだろう。…いや、案外ルーファスのやつなんかもそうかもしんない。 あいつも十分変態だ。殺し方見てりゃわかる。んで今日は、密偵捕まえたんで楽しい拷問ショーの始まりさ。 「名前は?」 椅子と机。密偵の名前はジョージ…なんてったっけ。まあいいや。椅子、と云ったってフツ―のじゃない。しっかりした背もたれに、腕置きまでついてる、立派なものだ。少々違うのは、そうだね、座る面すべてに鋼鉄の刺が容赦無くあるってことかな。んで、動けないように特別製のベルトでとめてある。いたそ~。 まぁこんなのは優しい方で、オレが尋問役だったら後ろに鉄の処女を立てておく。うちの処女(おとめ)はやぁさしいから、オレが仕掛けたボタンひとつひとつに反応して少しずつ開いている両手を被害者に向かってせばめていく。そこには、薬が塗ってある。最初は強烈な酩酊感。次に来るのは吐き気。昨日食べたものまで全部吐き出すと、次に来るのは強烈な劣情。男でも、女でも、自慰したくて、或いはもう犯されたくてたまんなくなる。けど、自慰はできない。両手は固定されているし、足だってしっかりと閉じられているんだから。ちょっと指でどこでもいい、身体を触っただけで絶頂を迎えてしまう。ただそれは薬によるものだから、薬の加減を間違えればそれだけでショック死する程のものだ。大抵、二回で全部吐く。後はほっておけば、自慰を繰り返し、果てて勝手にショック死する。便利だろ? オレは扉の脇の椅子に、背もたれに両肘を乗せて座っていた。椅子としては、逆方向の座り方だな。ルーファスが質問を繰り返す。 「云わなければ、もっとひどくなるだけだ。今のうちならまだ、大丈夫だぞ」 優しげに、声を和ませる。嘘。ここに入った時点で被害者は絶対に出られない。ああ、出られるか。 屍として。 多分、ルーファスの云っている意味は、「楽に死ねる」という意味なのだろう。うん、まあだからお前が尋問役をかって出たんだろうけどサ。 密偵はしゃべらない。ああ、その頑なな瞳は、口が裂けてもしゃべらない、という硬いかた~い決意だね。うん、密偵としては確かに優秀優秀。でもつかまっちゃ意味がないな、あはは。 暗い地下牢獄は、もう一人の方の尋問室から、何か音を乗せてきた。 その音、否声に、密偵はびくりと身体を震わせた。 「あちらサンはもう楽になっちゃってるみたいだね。ねえルーファス」 オレが後ろから声をかけると、ルーファスは蝋燭の下で紅に変わった瞳でにい、と笑う。その、普段とはあまりにかけ離れた冷笑を見て、密偵はがちがちと今更のように歯を震わせた。 オレはあんまりにも哀れなので、椅子から立つと、密偵の後ろから首に手を回した。 「かわいそうに。こんなに震えて…怖いよねぇ。オレたちのこと、知らないわけじゃないものねぇ。」 そう云って、既に涙すら流している目許を舌で舐め取った。刹那、官能がよぎったのか。表情が緩んだ密偵の肩に舌を這わせる。「早く云ったら…ゴホウビあげちゃうよ?」 決意が揺らいだ。が、すぐにまたあの頑なな目に変わる。 ああ、それでいーんだ。 「でもぉ、しゃべれないよねぇ。」 舌ですっと肩口のあたりを舐め、それから犬歯を立てて食いちぎった。 血しぶきが飛び散り、オレの服を染めた。 「お国のタメだもんねぇ。ふふふ、そう簡単にしゃべってくれちゃア張り合いないんだよな。お前うちの隊員殺してるからさ…、その人数分試してみたいことがいーっぱいあんだよねぇ…」 吐き捨てた肉片は、血のこびりついた床へびちゃりと音を立てて落ちた。 密偵は初めての「本能からの恐怖」に失禁していた。 中々優秀だったと思う。 よく3時間も耐えたなー。尤も、その情報自体は微々たるものであったけど。両手両足の爪、それから皮膚を剥がされながら、時々モノを扱いてやったり、舐めてやったりする。痛みを快感と勘違いする身体は射精するけれど、出したもんが傷にかかって痛む始末。最後の方は殺してください、死なせてください、だったかな。 「だから死なせてやらないんだけどね…」 今、密偵は顔とモノ以外のすべての皮膚を剥がされた状態で、石の床に転がされている。精液と血と糞尿の中に塗れて。発狂するのは時間の問題だけど、まぁ最期まで正気でいてほしいね。自分がどんなに惨めに死んでいくのか、その目によぉく焼き付けて死ぬんだ。…その為に目玉を残したのだから。 「お前…よくあんなことができるな」 「……なんで、キスしてから云うわけ」 地下牢獄の控え室。さっきの密偵のうめき声が聞こえてくる。ここは兵士が泊り込むこともあるから、ベッドもある。いつまで生きてるか、観察しようと思ってここに来たんだが。ルーファスは椅子に座っていたオレの顎を上向かせ、舌を絡ませる。唇を吸い、右手でオレの軍服を脱がそうとした。 「なに、サカってんだよ。」 ルーファスはやめない。というか、体格差でかなわない。ベッドに押し倒される。ズボンを剥がされ、シャツをめくりあげられる。 「あいつのモノを舐めるお前を見てたら、たまんなくなった。しゃぶってるお前を端から見ると、あんなにいやらしいなんて」 何とか足を突っ張って、抵抗しようとするが、…うまくいかない。 「お前に見せる為にやったんじゃねえっ!離せこの強姦魔!!」 と、足を持ち上げられた。しまった、この態勢じゃもう如何にもならない。 「実は結構、たまったんじゃないのか?舐めてるだけだし…なぁ?」 ルーファスが体重をかけてくる。異物が体内に入ってくる、感触、 「んんーっ、いたあああっ!やっ、いたっ、やだやだ!」 どーしてこいつは、オレをこーゆー風に扱うんだろうか。少しは前戯とかしないんだろうか。痛いんだぞ。ホントに。 「や…やだっ、痛い!痛いっ痛い痛い痛い!!あーーーーーーっ!」 「すごい締め付け…!ほら、やっぱりたまってたんだ。狭くて、今にもイキそうだ」 オレは涙が出て、かすむ視界の中かろうじて、にらみつけた。 「なら、は、やくっ…イケよ、」 ぐい。とオレの両手を顔の脇で固定した。 「誰が。こんなキモチイイお前の中、ずっと味わってたい」 「っひっ…!いやああーーーーーーっ!うあーーっ!!やだ、やだ、やだぁあ」 教会へはまだ行っている。 オレたち、軍人さんだしね。 懺悔もミサも説教も要らない、あるのは暇つぶしの楽しい戯びだけ。 FIN…? 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